変形性股関節症
股関節は人体の中で最も大きな関節で、『立つ・歩く・しゃがむ』など体重を支える中心的な役割を担っています。
今回は股関節の痛みの一つである『変形性股関節症』ついてご紹介していきたいと思います。
関節軟骨のすり減りによって起こる股関節の変形で、原因は一次性と二次性に分けられます。
一次性は股関節の形状には異常がなく、加齢変性によって生じます。激しいスポーツ、重量物を持ち上げる仕事、過度の肥満などが危険因子としてあげられます。
二次性は、他の疾患や股関節の形状に関連して発症します。先天性股関節脱臼(発育性股関節脱臼)、臼蓋形成不全などに続いて発症し、子供の時の疾患や発育障害の後遺症が主な原因となっています。通常は20~30歳前後で何らかの痛みなどを訴えるようになります。
※先天性股関節脱臼
股関節が正常な位置関係にない状態。臼蓋形成不全、逆子、出生後の下肢の姿勢などが原因として挙げられます。
※臼蓋形成不全
股関節を形成する臼蓋(大腿骨の受け皿になる部分)が狭く、負荷が過剰にかかってしまう事で関節軟骨の変性や損傷を引き起こしてしまいます。
症状
初めは股関節の違和感から始まり、痛みなどの症状が出てきます。進行するにつれて、可動域制限や変形を生じ、顕著な跛行が出現します。
『疼痛』
痛みは股関節痛が主体となり、徐々に鼠径部痛、大腿部痛、臀部痛を訴えるようになります。初期には、立ち上がりや歩き始めに生じる運動開始時痛が多く、長時間の歩行後に痛みが強くなります。進行すると痛みが持続し、安静時痛や夜間痛も現れます。
『可動域制限』
初期にはあまり可動域制限はみられませんが、進行するにつれて、股関節の内旋・外転・屈曲・伸展に制限が現れます。正座や階段昇降などが困難になり、日常生活動作の制限が大きくなります。
『跛行』
痛みをかばうため、患側の下肢を引きずるように歩きます。進行すると、大腿骨頭の位置がずれることによって、患側の下肢が短くなり、脚長差を生じるため、体を揺らしながら歩きます。また、股関節の可動域が狭くなり、小股になりやすいです。
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