家事に子育て、

フライパンをふったり、

包丁を使ったり、

掃除をしたり、

子供を抱っこしたり、

そのほかにもさまざまな場面で手を使うことは山ほどあります。

そんなときに痛みが走り、動作に支障がでることも…

 

そんな方は、「腱鞘炎」にかかっている可能性があります。

 

ここでは、この「腱鞘炎」についてお話したいと思います。

 

 腱鞘炎ってどんなもの??

手首の周りには「腱(けん)」といういくつかの “ひも”があります。このひもは、筋肉の一部で、筋肉と骨をしっかりとくっつけるためのものです。

さらに、腱のまわりには「腱鞘」と呼ばれる筒のようなものがあります。この筒は「剣の鞘」のように、「腱」にとっても鞘の役割をしています。その役割とは、①腱を保護すること、②腱の動きを滑らかにすること、の2つが主なものです。

 

「腱鞘炎」というのは、この腱鞘が炎症を起こしてしまったもののことを言います。

 

特に起こりやすいのが手首の親指側です。親指にはいくつもの腱がついているのですが、このうちの2本が手首の親指側にある腱鞘のなかをいっしょに通ります。この2本の腱は、主に親指を伸ばす(反らす)働きをする腱と、主に親指を外に広げる働きをする腱です。違う働きをする2つの腱が同じ腱鞘に包まれているため、この腱鞘の中で摩擦が起きてしまい、腱の動きが滑らかでなくなり、炎症が起こりやすいのです。これを「ド・ケルバン腱鞘炎」といい、手首の親指側に痛みや腫れがでてきます。

 

また、腱が腱鞘の中で滑らかに動かないことから、腱の表面が傷んだり腱鞘が硬く・厚くなったりして一層刺激が強くなり、炎症が悪化するといった悪循環にもなります。

 

腱鞘炎の原因

腱鞘炎は手・指の使い過ぎによるものですが、実はドケルバン腱鞘炎にはホルモンの変化も関わっていることが最近分かってきました。

 

①指の使い過ぎ

単純に使いすぎでの炎症のため、誰にでも起こる可能性があります。

しかし、職業や趣味などによりおこしやすい方もいらっしゃいます。例をあげていきますと、

・美容師・理容師

・料理人

・パソコンを多く使う仕事の方

・スポーツをやっている方(特に、テニス・野球・バドミントン・剣道など手首から指に負担のかかりやすいスポーツをやっている方)

などです。中でもパソコンを多く使う仕事の方が増えているせいか、ド・ケルバン腱鞘炎にかかる方が増えているといわれています。

 

②ホルモンの変化

妊娠時や産後、更年期の女性ではホルモンバランスの変化によって起こることが多くあります。

これらの時期には女性ホルモン、特に「エストロゲン」の量が激しく変化します。

この「エストロゲン」が足りなくなってしまうことが腱鞘炎につながっているのではないか、ということが最近の研究でわかってきているようです。

 

エストロゲンは実に様々な作用をもっていて、骨の形成などにも関わっているため、エストロゲンの欠乏は「骨粗しょう症」の原因にもなるといわれています。

また、エストロゲンは腱の細胞を増やしたり、ダメージを受けた組織を修復する力に関わっている可能性があることがわかってきています。

腱鞘炎はあくまでも、「手や指の過度の使用」といった、繰り返し刺激により腱・腱鞘がダメージを受けた状態です。しかし、ホルモンバランスが不安定な時期は、「腱」へのダメージが蓄積しやすく、腱鞘炎につながりやすいといえます。

 

腱鞘炎の症状

親指を使うときに強い痛みが手首の親指側に出ます。症状がひどくなると、安静にしてても痛みがでてしまいます。

また、腱鞘の部分が腫れてこぶのようになる場合もあります。

 

どうやって調べるの?

※写真は準備中です。少々お待ち下さい。

写真(矢印)の部位に腫れや押しての痛みがあるかどうかをまず確認します。

また、親指と一緒に手首を小指側に曲げると痛みがより強くなるかどうかを確認します(フィンケルシュタインテスト変法)。

また、母指を写真のように小指側に牽引したときに痛みが強くなるかどうかを確認します(フィンケルシュタインテスト)。

自分で調べるには手首を直角に曲げ母指を伸ばしたときに痛みが増すか否かで判定します(岩原・野末のサイン)。

 

治療法

まずは手をなるべく使わないように安静にします。時にはそえ木や装具・サポーターなどで固定することもあります。

そして電気療法・手技療法(ほぐし・関節調整)で痛みを和らげ、炎症の起こっている部位にアイシング(冷却)と微弱電流療法を行い、炎症の広がりを防ぎます。

 

ある程度痛みが落ち着いてきたら、手から肘の辺りの筋肉をほぐしたり、はり・きゅうを行い血流の回復をしていきます。

原因として、手・指の使い過ぎにより筋肉・腱の動きが硬くなってしまっていることがあるので、血流を回復させ、動きを滑らかにすることが目的です。

 

痛みが落ち着いてくると、「治った」と自分で判断し、治療にいらっしゃらなくなる方が多いのですが、この段階では痛みが落ち着いただけですので、原因となっている筋肉・腱の過労状態は回復してはいません。そのため、痛みが再発してしまい、いわゆる「クセ」になる方が多いので注意が必要です。

 

また、繰り返しになりますが、腱の表面が傷んだり腱鞘が硬く・厚くなったりして一層刺激が強くなり、炎症が悪化するといった悪循環になることがあります。これがあまりにひどくなると、病院にて手術を行うことになる場合もあるので注意が必要です。

 

くくるでのメニュー例

初回カウンセリング料 2160

電気療法+手技療法+アイシング 2160

微弱電流療法 540

テーピング 540

合計 5400(税込)

 

※あくまで一例であり、症状等によりメニューは異なります。

 

自分でできることは??

基本は安静にしましょう。

手の痛みなので完全に安静にするのは難しいかもしれませんが、なるべく負担がかからないよう心がけます。

 

ご自身で痛みを抑えるためには、アイシングが効果的です。

ビニール袋に氷を詰め、患部に当てて冷やすか、氷を直接患部に当ててゆっくりなでるように動かします。

 

このときに保冷剤を使用すると凍傷をおこすことがありますのでご注意ください。

 

注意事項

腱鞘炎は、最初はそれほど痛みが強くなく、我慢できてしまうため、悪化するまで放置してしまう方がとても多いです。

そうすると、無理をして動かしているため、それだけダメージが多くなってしまいます。

そのため、治っていくのにも時間がかかってしまいます。

 

早目に対処すれば、それだけ早く良くなりますので、少しでも違和感などを感じたら早めにご相談して頂く事をオススメします。